合わせみそ 

ティナおばあちゃん(ふぇ祖母)が亡くなって1年が経ちました。

小さいこどものように、背が伸びたり歯が生え変わったり、ということはありませんが、この1年の間にぺいは大学院生になり、るーは成人式の振袖を着てお祝いをし、おーちは高校の最終学年で受験生に。

命日にそんなことを考えていたら、日本から突然の訃報が…
実家のご近所のTさん、まるで本当の伯父さんのように私たち家族を気にかけてくださっていた方です。

若い頃、仕事でドイツにいたことがあるTさん、当時の体験談が面白くて、ドイツ談義に花が咲くこともありました。

数年前に「あれ、ドイツの家でもみそ汁食べるんだ。じゃ、うちのみそ、持っていくか?」ということになり、以来毎年、手作りの味噌をたっぷりと持たせてくれました。「麹を普通よりも多く使ってるの。これがほんとの手前みそ。笑」と言って。
私がみそを作るようになったのも、このTさんの影響です。

今からわずか10日前、私がドイツへ戻る前の日にも、地元のおいしいお菓子を届けてくださったのに…

「麻ちゃん、このあいだあげたみそ、去年のなんだけどちょっと変なんだよな。いつもより水も出てるし色も濃くなっちゃって」
「そうですか?とてもおいしくいただいていますよ」
「んー、そうか?あれね、合わせみそにするといいんだよな」
「あ、それもよさそうですね」

玄関の外へ出て見送った少し小さくなった背中が最後の姿でした。

週末、ちょうど空っぽになっていたみそのガラス容器にTさんのみそを詰め、それより小さなプラスチック容器に私の初めて作ったみそを詰めました。急に悲しくなり、涙がこぼれました。

親しい誰かが亡くなると、その人が大切にしていたこと、得意だったこと、好きだったもの…小さななにかを心にとめておきたいと強く思うのです。
その人の一部を少しすくって、自分の人生に足していくように。
そうすることで、悲しみにも温度が生まれ、失ったものに色彩が戻ってくる気がします。

合わせみそは、とてもやさしい味がしました。

 
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[ 2017/01/30 08:10 ] いろいろ | TB(0) | CM(2)

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[ 2017/01/31 14:00 ] [ 編集 ]

v-22 2017/01/31 14:00さん
本当に今でもピンと来ません。
お気遣い、どうもありがとうございます。
[ 2017/02/01 09:45 ] [ 編集 ]

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